緊張していたのかもしれない。昨日は有明で開催された無線通信の展示会へ行った。行きしなは一駅分歩き、大井町からは東京ビックサイトまで歩いた。倉庫街を通ったり、トラックによって上下に振動する陸橋を渡ったり、レインボーブリッジのプロムナードを初めて歩いたりした。よくぞこんな建造物を造ったものだと平伏しながら、往来には外国人も多かった。台場に着くや否や、津波に呑まれる街という印象が付いた。
当初の目的である、前職のウェブ制作の話はつけられた。現在も別の業者に委託していてうまく回っているので、私に請け負わせなくても良いとのことだった。一応挨拶だけした。そしてここからが昨日の肝だった。大学・総務省ブースに寄ると、思わず議論してしまった。櫛状の光通信の発表者には、らせん光無線の話を、そして個人情報暗号の発表者には、公開鍵暗号の無効さを訴えてしまった。
特に後者の方には迷惑だったかもしれない、というのは恫喝に近い剣幕で話してしまった気がするからだ。おそらく十五分くらいは議論していたと思う。共通鍵方式だけで構成する暗号でないと求解されて暗号にならないことは理解していただいたし、光の形そのものを暗号にすれば配送もでき復号もできることも案として難なく認めてくださった感じだった。MACアドレスを鍵元にすれば、どんな端末にも暗号通信ができる方式だ。
帰路、私の研究が暗号通信の研究に変わった。素数の研究は、暗号通信を研究しなくては、成果を発表できないのだ。途中で栄養ドリンクを飲んでしまい、Xを書き散らしており、二十件を超えていたのを帰宅して気づいた頃には、筋疲労でぐったりしていて、そのまま書斎で寝入っていた。それにしても、この栄養ドリンクのメーカーは、自死に用いられる風邪薬など、危険な薬品ばかり市販しているが、風評が悪くないか気にかけないのだろうかと心配にはなる。