いよいよ中年の準備が整ってきた。街を北に歩いた。六時間歩き続けても疲れず、関節も痛くなかった。いずれ古道を歩きたいと考えていて、思いとしては、善光寺から飯山を歩きたい。距離にして今日の数倍で、高低差を考えて今よりも歩けなくてはならない。でも、今日の試行から、全然可能であると思える。来年末までに一度行ってみようと思う。
古本の良さを知ってしまった。必ずしも新作ないし新理論でなくてよく、作家や学者に印税を満額支払うわけでもなく、そういうものだと考えて古本を買って読むので良い、と腹を極めた。早速十冊注文した。定価の六割ほどで買えた。話を最後まで聞くと、丁寧な会話になることを、昨日今日で学んだので、これからは言いかかることもしない。辿々しくなるだけで、腰も折れ、私も疲れてしまう。
帰りに商店街の八百屋で、紅甘夏ととうもろこしを買った。とうもろこしがとても美味かった。とても嬉しくなった。十年食べていなかった。八食で三百円しない蕎麦をぐでぐでに茹でて、作り置きの大根味噌で食した。無論、旨い。肉は食べない。食べたくない。欲が出て失敗した日は食事で肉を食べていた、と昨年の記録が物語る。生魚や卵も、頻度を減らす。おそらく、肉は、働き盛りの男性は食べない方が良い。妻の食べ物だし、私も老いてからの食べ物だ。
歩き先は、近郊近所で満足する。東京や大都市でなくて良い。むしろ都市化され切っていない街が良い。なんとなく、どこ行っても同じ店のある街は行っても面白くない。住むための街だから、住宅もどれも同じようなものだろう。公園や山林のある街を歩きたい。来週、採用面接があり、休職期間はまだ一ヶ月はある。八時間くらい歩いてみたい。まだ夏ほど暑くないし、梅雨もまだ。一食食べるつもりで財布と相談し、調べておこう。お小遣い制を妻に依願してから、中年らしくなった。嬉しい。