二〇二五年六月五日号

昨日は午前に、古本屋に行き、目当ての本と面白そうな本の二冊を購入し、中小企業センターの休憩所で読んだ。カバーは捨てた。仰々しいので。二冊とも経済理論の本であり、数学科出身者がものしたものだ。結局、経済学も自然科学なので、数学で記述するのだから、数学に強くなければ絵皿にすぎない。読んでみて、選書は正解だったと思った。疎外の意味がわかった。人間がいくら経済活動しても、市場は人間で左右できず、経済法則に守られていると理解して良いとのことで納得した。

その足で一駅歩き、電車で九駅の街にある福祉センターに降り着いた。介護福祉業界の説明会があるからで、先月申し込んでおり、抽選で当たったとのことだった。待合に図書室があり、二冊の初めを読んだ。汚い言葉の紹介文は切り取って丸め捨てた。本の内容は平易で面白い。アダムスミスからマルクスケインズを経由し現代までの歴史を江戸時代も絡めて解説している書で、もう一冊は直観で経済を解説し尽くした、これまた平易な本。二冊とも経済ってこんなに面白いのかと思う本である。

定刻が来て、二階に移動し、説明会が始まった。大変わかりやすく、話しぶりも人思いである。私は来月から福祉事業所に勤めると決まっているが、前職と比べると天国的な業界である。居やすいし、個性的経験が全て活かせる上、給与を多く頂かなくて済む。参加者は十数名だったが、発表後の座談会で、質問と回答を聞きながら銘々思いを新たにした様子だった。介護福祉業界は人を思う業界なので、人に優しく、しかも反応が直に来るので、やりがいがわかりやすく得られるのがいいところだ、と。

帰宅するまで、外が弥に綺麗に見えた。青空は澄んでいるのに、雲がベーコンの油みたいにこってりして見えた。帰宅して食事した後、やはり二冊の経済学書を繙き、動画を作った。朝と夜に二時間ずつ、経済理論を学ぶのが、大変、面白い。昼間に街を歩いて、街を見ながら経済を考えるのも面白い。店に寄ったっていいし、行列を観察しても、商品の価格と質を観察しても、自由だ。こうして私は経済の研究を始めた。いよいよ私の生活の根幹的疑問に、自分で解答を出す年齢になったのが感慨深い。人生経験を思う。


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